海上自衛隊:輸送艦「くにさき」艦艇一般公開
6月3日に呉の艦艇一般公開へ出かけました。ちなみに昨年11月から数えてすでに5回目。自分もびっくりのハイペースです(^^;。さて、この日一般公開されていたのはおおすみ型輸送艦LST-4003「くにさき」。おおすみ型輸送艦は国連平和維持活動(PKO)などでも活躍しています。下画像の右側が「くにさき」。ちなみに左側はうらが型掃海母艦MST-464「ぶんご」です。
おおすみ型輸送艦3番艦LST-4003「くにさき」
輸送艦という艦種の「くにさき」、主任務は当然のことですが輸送です。具体的には自衛隊の人員、装備などの海上輸送はもちろんんこと、災害派遣などの任務にもつきます。「くにさき」はスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対する国際緊急援助隊として派遣されました。
ところで「くにさき」は上にも書いているようにLST-4003という艦番号がついています。このLSTは "Landing Ship Tank" を意味しています。要は戦車を揚陸する艦ですね。そんなおおすみ型輸送艦は1隻で90式戦車10両を輸送できるとのことです。
輸送艦「くにさき」の艦内格納庫:車両格納庫
艦の前部分が車両や物資の格納庫です(画像はLCAC格納庫側から前を見た方向)。上に書いた90式戦車10両はここに格納されることになります。右前のほうが明るくなっていることからわかるかと思いますが、そこがサイドランプ(出入口:両舷にあります)になっています入ってくるとターンテーブルで方向を変える感じ。また、ターンテーブルの前には甲板とをむすぶエレベータがあります。
輸送艦「くにさき」の艦内格納庫:LCACエアクッション艇格納庫
艦の後部分がLCACエアクッション艇(説明していた自衛官の方曰く「ホバークラフトのすごいヤツ」だそうです(笑))の格納庫になっています。ちょっとわかりにくいかと思いますが、前後に並んで2艇格納されています。LCACの発進は後部ランプドアが開いて後ろからバックで出て行く感じですね。90式戦車ならば1両運搬できるそうです。
輸送艦「くにさき」の全通甲板
甲板前部分が車両用甲板(上画像)、後部分がヘリコプター用甲板(下画像)となっています。格納庫でも広いと感じましたが、こうやって外に出てくると「ホントに広いっ!!(驚)」。球技はボールが海上に落ちてしまうかもしれませんので難しいですが、幼稚園などの運動会ならば十分できるのではないかと。
ところで艦橋が右舷側に寄せ、全通甲板となっていることから形状的には空母って感じですが、空母としての能力はありません。実際、後部甲板はヘリコプターの発着は可能ですが、ヘリコプターを整備することはできませんし、そもそも格納庫も車両用のものしかありません。
話がそれますが、はるな型護衛艦(DDH)の代艦となる16DDH(平成21年3月就役予定)は全通甲板を持つ形状 / ヘリコプター運用能力 / その大きさ / などからいろいろな意見もあるようですが、海上自衛隊では用途はこれまでのDDHと同じということで、DDHとしているようですね。
おまけ:むろと型敷設艦ARC-482「むろと」
「くにさき」とは関係なのですが、かわった艦が呉にいました。それは、受付をすませてまず目に入ってきたこの艦。艦首のモノはなんなんだろうって(^^;。後で調べてわかったのですが、敷設艦の「むろと」という艦でした。
「むろと」は機雷を敷設する艦海底固定ソナーやケーブルの敷設や揚収を任務とする艦です。艦首のゴツイものはケーブルシーブ(滑車)です。これまで何度か呉には出かけていましたが、はじめてみました。「一度航海に出てしまうとナカナカ帰って来ない、呉にいることもあまりない」と教えてもらったのですが、なるほど、見たことがないわけですね。
海上自衛隊に関連する書籍
私の手元にある海上自衛隊の書籍です。
- 海上自衛隊 2008-2009 / 世界の艦船2008.7増刊 (海人社)
このページの公開日:2008.10.14