海上自衛隊:「基地見学」艦艇一般公開
天気がよかった2月19日、艦艇一般公開に出かけてきました。ちなみにこの日は「基地公開」で公開される艦はありません。毎週でも出かけることができる(汗)私のような者はわざわざ行くこともないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、19日はまだまじかで見たことがない艦がいそうな予感。
そんな19日のEバース、期待していた艦のひとつ「いせ」がいました(嬉)。
ひゅうが型護衛艦「いせ」(DDH-182)
この日はバスとマイクロバスの団体客の方々がいたのでとても多くの見学者がいました。その方々を除くとやはり少なかったかな。団体客の方は公開される艦がないと知って残念だったことでしょう。たしか先週ぐらいまではホームページでも何かの艦が公開される予定だったと思います。
Eバースへ向かう見学者たち。この日Eバースには「いせ」のほかに「いなづま」「さざなみ」「しまゆき」「ぶんご」がいました。
私といえば最初に期待していた艦のひとつ「いせ」と記しましたが、もうひとつ「ゆら」がいることを期待していたのです。12日の阪神基地隊での一般公開後(?)に仲良くこのEバースにいたはずなのですが、「ゆら」はすでに出航されたようで残念(+_+)。もっとも、「ゆら」は残念でしたが「いせ」をこんな近くで見るのははじめての私、「いせ」だけでも来た甲斐があるってものです(^-^)。
「いせ」はひゅうが型護衛艦の2番艦で昨年2011(平成23)年3月に就役した最新鋭のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)で、はるな型護衛艦「ひえい」の代艦になります。その「ひえい」ですが、先月8日の艦艇一般公開のときはFバースにいたのですが、この日はいなくなっていました。ついに解体でしょうか・・・ 大好きな艦だっただけにとても寂しいものがあります。
ちなみにはるな型護衛艦の1番艦「はるな」が1973(昭和48)年に就役してからひゅうが型護衛艦の1番艦「ひゅうが」が就役する2009(平成21)年までの期間は36年・・・ はるな型護衛艦、本当にお疲れさまでした。
「いせ」のぱっと見の特徴はなんといってもこの船型。下から見ても想像しかできませんが(汗)全通甲板をもっています。いわゆる空母のような形です。この全通甲板のおかげでヘリコプターの離発着を同時に3機行なうことが可能となりました。
また「はるな」の基準排水量と比較して約3倍の大きさとなりました。その結果、ヘリコプターの搭載数自体もこれまでのDDHが3機でしたが、ひゅうが型護衛艦では10機程度の搭載・運用が可能になっています。
そして特徴的なこのフェーズドアレイレーダー。
艦橋構造物の4面に1セット(大きなほうがCバンドで捜索用、小さなほうがXバンドでミサイル誘導用のイルミネーター)ずつ計4セット装備しています。このレーダーは防空システムFCS-3(短SAMシステム3型)の中核であり、FCS-3はこのひゅうが型護衛艦ではじめて装備化されました。
ひゅうが型護衛艦がこれまでの護衛艦と大きく異なるのは見た目だけではありません。新しい戦闘情報処理装置(OYQ-10)や前述のFCS-3をはじめとするさまざまな機器がつながり艦全体で統合ネットワーク(NOYQ-1)を構成しています。また、海上自衛隊のMOFシステムの新しい洋上ターミナルMTAが装備されています。
また、通常のCICに加えて群指令部用CICとなるFIC(司令部作戦室)も配置しています。これらにより、艦隊全体の支援能力を持たせておりC4ISR(指揮、統制、通信、情報、コンピューター、監視、偵察)能力が非常に高くなっています。艦隊旗艦としてはもちろん、必要に応じて司令部機能としての役割がとても期待できるのではないでしょうか。
下写真は後ろからみた「いせ」です。
大きなお尻に「いせ」と書かれています。左舷にCIWSがあります。固有兵装は多くなく、このCIWSと艦前面にもCIWS、あとは写真ではまったくわかりませんが飛行甲板の後部右舷にあるMk41VLSと3連装短魚雷発射管が2基といった感じです。
右舷に穴があるのが見えますが、ここは作業艇を収納するところです。
これが通常は収納されている11m作業艇「いせ01」。既存の艦艇では内火艇を搭載している艦が多いと思うのですが、内火艇と作業艇の違い・・・ 私にはよくわかりません。
と、はじめての「いせ」はこんな感じで外から眺めることしかできませんでしたが、私的にはかなり楽しかったです。「ヒマだから」とついてきたツマは何を真剣に眺めて写真をとっているのかまったく理解できなかったでしょうが(^^(^^;・・・
実はこの日はDバースにもう一隻あまり見かけることがない(私だけ?)艦がいました。やはり外からみるだけだったのですが、その艦についても後日記そうと思います。
参考にした書籍など
このページの公開日:2012.02.23