海上自衛隊:掃海艇の活躍
6月6日に北九州沖で海上自衛隊が機雷を爆破処理しました。この機雷は太平洋戦争時に米軍が投下したもののひとつ。そんなことがありましたので、掃海艇の歴史・活躍を展示している海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」に出かけました。
久しぶりの「てつのくじら館」
掃海艇の活躍については2階に資料が展示されています。1階エスカレータをあがったところからはじまるのが掃海の歩みを記したパネル。
戦後間もない時期に劣悪な環境ではじまった掃海。
朝鮮戦争に秘密裏に派遣され活躍した掃海隊。掃海艇のMS14号が触雷し、犠牲者を出しています。
海上自衛隊が発足し、装備も近代化され掃海がすすんでいきます。戻りますが、このコーナーの最初には太平洋戦争中の米軍機雷数が記されていました。
- 敷設数
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10703個
- 戦時中の処分
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4157個
- 戦後の処分
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6205個
- 残り
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341個
「残りは陸岸近くの沿岸浅所に埋もれていると思われる」と。6月6日に処分した機雷もそのうちの1つだったのでしょう。そして平成18年以降の処分数も。
- 平成18年
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5個
- 平成19年
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5個
- 平成20年
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2個
- 平成21年
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1個
- 平成22年
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3個
- 平成23年
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0個
- 平成24年
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1個
日付は6月6日現在とありました。そして「いまだに処分は続いている。」という文章が... 1945年に太平洋戦争が終わって約70年経つわけですが、終わってない現実を感じることができます。
そしてペルシャ湾での活躍を記したパネル。作戦名は「(Operation Gulf Dawn:湾岸の夜明け作戦)」。
平成3年に海上自衛隊の掃海部隊が派遣された任務です。海上自衛隊が海外派遣されたはじめての任務... 自衛隊の海外派遣を反対する向きがありますが、なぜ反対するのか理解できません。
日本は周りを海に囲まれ、かつ資源がない国。海外から石油をはじめとする資源を輸入しなければ国として活動できません。それを脅かす事態があるのであれば、脅威は自ら撤去するというのは当たり前だと感じるのですが、そう考えない人もいるということなのでしょう。
また直接関係がなくても、日本の力が必要とされ役に立つのであれば貢献するという活動がなぜいけないのでしょう? お金だけ出していればいいなんてことはありません。現場で仕事をする... これが意味のあることなんだと思います。
そんな環境の中で国際貢献を粛々と行なう隊員の方々には月並みですが頑張って欲しいといかいえません。そして隊員の皆が無事に任務を果たすことを願います。
決して目立つことがない掃海という任務。しかし航路を確保するということは日本には欠かすことができません。戦後の復興からこれまでに培ったその能力、今後も日本はもちろん日本以外でも必要とされるところで活躍することを期待します。
このページの公開日:2012.06.14