安芸の国から

4月7日は呉基地の艦艇一般公開へ。この日の公開艦は護衛艦「あぶくま」です。「あぶくま」には2011年7月の一般公開時に訪れています。この日私の目的は別の艦... 輸送艦「ゆら」でした。

2013年4月12日に退役する輸送艦「ゆら」（LSU-4171）

輸送艦「ゆら」、決して派手な艦ではありませんが、すでに退役した護衛艦「ひえい」とともに私のお気に入りの艦のひとつ。そんな「ゆら」が2013年4月12日に退役します。「退役する前にもう一度見ることができれば」と、この4月7日の艦艇一般公開に出かけたのです。

しかし、一般公開される「あぶくま」と「ゆら」が同じバースに碇泊しているとは限りません。EバースとFバースだったりしたら... と不安がなきにしもあらずだったのですが、幸いにも同じバース、Fバースでした（嬉）。

Fバース入口から撮った「ゆら」です。ちょうど士官らしき方が艦からおりていらっしゃいました。

ここで少し「ゆら」の紹介を。輸送艦「ゆら」は2隻建造されたゆら型輸送艦のネームシップ。佐世保重工で建造され、1981（昭和56）年3月27日に竣工しました。諸元は次のようになっています。

基準排水量

590トン

満水排水量

710トン

全長

58.0メートル

吃水

1.7メートル

主機

ディーゼル2機、2軸

出力

3,000馬力

速力

12ノット

兵装

20ミリ多銃身機銃1基

乗員

30名

2番艦の「のと」（LSU-4172）も同じ日に竣工しましたが、「のと」は昨年すでに退役しています。「ゆら」の退役により、「ゆら」同様にビーチングできる輸送艦はなくなりますが、輸送「艇」が2艇あります。1艇が呉にくるといったことはないのでしょうね。

「ゆら」の姿です。

上の写真では車が横付けされています。ひょっとしたら艦内の荷物を取りにこられたのかもしれません。そして後ろからみた姿です。

これは「あぶくま」の甲板から撮りました。艦尾のほうに荷があるのがわかります。退役を控え、荷がおろされているのでしょう。続いて、それぞれに寄ってみます。

まずは艦橋を見上げてみます。すでに機銃が撤去されていました。

艦尾を。この日は風が強く自衛隊旗がはためいていました。

そして艦首。バウドアとランプ。このバウドアが開いているところを一度も見ることができなかったのが残念... さらに寄ってみます。

両舷にある貨物揚搭用の1.5トン・クレーン。

ビーチングに用いる大きな碇。

バウドアとランプを正面から。

最後に艦番号4171です。上に記したように同じ日に竣工した2番艦「のと」は昨年退役しています。自衛隊最小の艦として32年のあいだ活躍した輸送艦「ゆら」。本当にお疲れさまでした。