新聞に広島市郷土資料館で宇品凱旋館の模型が展示されているという記事をみつけ、観に出かけてきました。それにしても宇品凱旋館の模型とはナカナカマニアック(嬉)。模型および展示資料は撮影禁止だったので、広島市郷土資料館内の写真はこの1枚のみです(^^;。
宇品凱旋館の建物は1970(昭和45)年に取り壊されすでに存在しません。現在凱旋館のことを伝えるのは、宇品中央公園にある建設記念碑のみです。
宇品凱旋館は1938(昭和13)年に着工し翌年1939(昭和14)年に完成しました。当時の宇品は混沌とする満州・対中国状況により出征・凱旋する将兵、戦傷病して帰還する将兵が非常に多くなっていました。しかし宇品の陸軍運輸部にはそういった将兵を歓送迎、慰安するための設備がなく、倉庫の一部を開放してその用途に使っている状況。そんな状況を憂い、将兵を歓送迎、慰安するための "宇品凱旋館" の建設を目的とする宇品凱旋館建設会が当時の広島県知事を会長として組織されました。
宇品凱旋館建設会は、1936(昭和11)年末まで全国からの寄付を募集、翌年1937(昭和12)年末の工事完了を考えてたものの資金が不足。1937(昭和12)年6月に計画を変更、満州などからも寄付を得ましたがそれでも資金は不足したため、陸軍省にも援助を依頼します。陸軍省は不足分の援助を行い、宇品凱旋館が建設されたのでした。
宇品凱旋館の写真があればよいのですが、手に入らないのでアジア歴史資料センターが公開している資料を引用させていただきます。姿図と平面図です。
広島市郷土資料館で掲示されていた説明板に、この当時の宇品の様子を紹介する展示を予定しているといった旨のことが書かれていました。展示されたら観に行きたいと思います。