クライスラーイプシロン、2014年で新車販売終了

知ってる者が少ないことはもちろん、そもそも気にもしていない者がほとんどに違いありません。でも、縁あってオーナーとなっている私なので記しておこうと思います。クライスラーから販売されていたイプシロンが日本での新車販売を2014年で終了しました。

クライスラー イプシロン (と新幹線)

クライスラーのイプシロン

最初にフィアットとクライスラーの関係から。2009年にフィアットがクライスラーに出資し、その後段階的に出資比率を高めて2014年に完全子会社にしました。今では経営統合されてフィアット クライスラー オートモービルズとなっています。その過程の中で車台を共通化したりしていました。ランチアとクライスラーの統合もそんな流れの中のひとつです。

フィアットとしては、米国のクライスラー販売網を手に入れたかったのでしょう。クライスラー販売網といえば昨年7月だったでしょうか、ロイターなどで「独VWがフィアット買収に関心」といったニュースが流れていました。VWも米国のクライスラー販売網を利用したいと。この報道についてはVWもフィアットオーナー側も否定しています。VWのフィアット買収といえば、アルファロメオブランドの買収の話を以前からききますね。

そういえば、フィアットの買収といえば、日経BPで大前研一氏の「トヨタはフィアット・クライスラーを買収せよ 」という記事がありました。独VW資本のフィアット... トヨタ資本のフィアット... どちらもイメージがわかないのですが、今後プジョーシトロエンやフィアットクライスラーでは思いがけないコトがあるかなとも。

話がそれてしまいました。イプシロンに戻します。

イプシロンといえば、ランチアの小型車なわけですが、前述のとおりクライスラーとランチアの統合により、この3代目イプシロンがクライスラーからも販売されることになりました。クライスラーブランドのイプシロンがイギリスでは2011年9月、日本では2012年12月から販売がはじまりました。ともにランチアブランドが展開されていない国です。で、日本では2014年末に本当にひっそりと新車販売が終了したと(涙)。ちなみにイギリスでは販売が続いています。

クライスラーのホームページからイプシロンが消える

上は2014年末のクライスラーのホームページ。トップページのラインナップからYpsilonはなくなり、イプシロンのページでは新車販売終了のコメントが(^^;。もっとも、新車販売終了自体は前々から話をきいていたことなので、驚きよりも「遂に公(おおやけ)になったか」という感じ。日本では2年で販売が終了したクライスラーから販売されたイプシロンですが、車自体の出来とは違った理由でかわいそうなコトになってしまったという感があります。

クライスラー イプシロン フロントグリル

かわいそうなコト、それはクライスラー側からみると、クライスラーディーラーにやってくる大多数の人たちが興味を持つような車ではなかったということ。ディーラーさんも「このちっちゃい車、どうしたものか」と頭を抱えたんじゃないでしょうか。

そしてオリジナルとなるランチア側からみると、「偽物」「クライスラー(なんかの)エンブレムをつけられて...」なんて心無い極端な意見から「ランチアで導入されてたらよかったのに」という真っ当な(?)意見も。

そしてランチア側からこのクライスラーイプシロンを見る向きでは「ランチア戻し」を行なう人もいらっしゃいますね。有名な雑貨店やイタフラ系のショップだけでなく、正規ディーラーさんでも行なっているトコがあります。私もディーラーさんでお誘い(?)を受けました。

いちおう記しておきますが、私的にはこの「ランチア戻し」について否定的な考えは持っていません。自分好みにいろんなカスタマイズをすることは楽しい。そのベクトルがどういう向きかというコト。私もクライスラーですが、リアにはランチアのエレファンティーノつけてますしね(^-^)。

ただ、ネットでは問題がない、あるいは好意的な考えを持っている意見よりも否定的、あるいは不具合な意見があるときに書き込まれることが多い。そのため、否定的な意見が大多数なものではないと思いますが、日本で受け入れられなかったという事実は間違いありません。それは登録台数の推移を見れば明らか。

クライスラー イプシロン 登録台数

毎月発表される輸入車の登録台数を拾ったグラフです。クライスラーの場合、「小型車=イプシロン」と考えてほぼ間違いないはず。記すまでもなく惨憺たる数字ですね(汗)。2013年10月から3ヶ月ごとに○○エディションといった感じで実質的に値下げをしていたようなものでしたが、それでこの数字... 販売開始半年ほどで販売をあきらめたのではないかとも感じます(^^;。

仮にランチアブランドで輸入されていたら... 台数はもっと(もう少し?)多くなったことは間違いないと思います。でも、ランチアディーラーを展開するほどには売れなかったでしょう。フィアット・アルファロメオディーラーでランチアブランドで販売するのがベストだったと思います(法律・制度的にできるのかどうか知りませんが)。

クライスラー イプシロン リアのエンブレム

そんな不遇なクライスラーイプシロンですが、私的には昨年いろんなページで記してきているように好意的に考えています(だから購入してるわけですが(^^;)

というのも、私はフィアット500に乗っているときにはじめて初代イプシロンを知ってずっと気になっていました。そんなイプシロンが3代目で5ドアになって、しかも右ハンドル車が正規輸入された... もちろん、正直なところランチアブランドのほうがよかったですが、これまで正規輸入がなかったことを考えると「それは細かいコト」だったのでした。クライスラーも嫌いなブランドではありませんでしたし。

クライスラー イプシロン メータパネル

「クライスラーの」イプシロン、数年経ってから雑誌で取り上げられることがあるような気がしています。それは「日本に正規輸入されていたイプシロン」という見出しで「クライスラーブランドで正規輸入されていた...」とはじまるコラム。あるいは「迷車 "クライスラーの" イプシロン」という見出しで「読者は覚えているだろうか...」とはじまるコラムとか... でも「最後のランチア車がクライスラーブランドで正規輸入されていた」といったものが可能性高いかな。

数年後に私自身がこのページを読み直すことがあったときに「何を書いてたんだ」と思うかもしれません(笑)。でも、このときは思いもしなかったような業界再編が起こっているかもしれません。何にしても、いつの時代も欲しくなる車があることを願うばかりです(^-^)。

このページの公開日:2015.02.01 / 追記:2015.02.02 / レスポンシブ対応:2016.09.19

  

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  • クライスラーイプシロン、2014年で日本での新車販売を終了

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