海上自衛隊:掃海艇「みやじま」艦艇一般公開
9月16日、呉の艦艇一般公開に出かけました。基地公開には出かけていた(記していませんがこの前週にも出かけていた(笑))のですが、艦艇一般公開時に出かけるのは今年1月以来のこと。そんな久しぶりの訪問時に公開されるのは掃海艇の「みやじま」です。
掃海艇とは
これまで何度も艦艇の一般公開に出かけていますが、掃海艇の一般公開に出かけるのは私自身はじめて。そもそも呉で掃海艇が一般公開されるのは珍しいと感じます。私が覚えている範囲ですが、これまで1度だけしかありません。そんな掃海艇の公開を楽しみにしていた私です(^-^)。
それにしても、なぜこの19日の公開を掃海艇にしたのだろう? というのも、19日は3連休の真ん中で見学者がいつもよりも多いことが想像できます。それにも関わらず艦よりも小さな艇の公開... 人数は多く船は大きくないということで、甲板に上がるまでかなり待つ見学者もおられました。
しかし、乗組員の方々からは「見てもらおう。知ってもらおう。楽しんでもらおう」といった気持ちがとても伝わってくるとても感じの良い対応でした(感謝)。掃海艇は小さかったけれども、満足感は大きかった見学者が多かったのではないでしょうか。
さて、掃海艇「みやじま」の紹介を。「みやじま」(MSC-690)は「すがしま型」掃海艇の10番艇として平成16年2月に就役しました。同じ「すがしま型」掃海艇の「いずしま」「あいしま」とともに3隻で第1掃海隊を編成しています(2012年9月現在)。諸元はこんな感じ。
- 基準排水量
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510トン (590 / 13,950)
- 満載排水量
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590トン (710 / 19,000)
- 全長
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54.0メートル (58.0 / 197.0)
- 幅
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9.4メートル (9.5 / 33.0)
- 出力
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1,800馬力 (3,000 / 100,000)
- 乗員
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45名 (30 / 347)
括弧内の左側の数字が海上自衛隊の「艦」でもっとも小さな輸送艦「ゆら」、右側がもっとも大きなひゅうが型護衛艦の数値です。ゆらとはそれほど大きな差がないのがわかるのではないでしょうか?
掃海艇は護衛艦のようなミサイルや砲のような目立った兵装があるわけではなく、はっきりいって地味な存在です。しかし、護衛艦に限らずすべての艦艇・船舶は機雷が敷設されているような海域を航行することはできません。海域の安全を確保されることで海上を安全に交通できるわけです。
特に日本は四方を海に囲まれており、海上交通を安全にすることは国が存続するための絶対的な条件。万が一機雷が敷設されたりした場合に排除を行なうことを重要な任務としているのが掃海艇(掃海艦)です。
そんな掃海艇「みやじま」が掃海・掃討を行うための兵装です。まずは20mm多銃身機銃。
下の写真が機雷処分具です。乗組員の方にいろいろと話を伺いたかったのですが、私の見学路の勘違いで機会を逃してしまいました(+_+)。
そして兵装ではありませんが、掃海艇の特徴のひとつ。船体が木造となっています。下の写真を見るとわかるでしょうか。 これは磁気対策のため。
鋼製の艦艇では磁気機雷が反応してしまい掃海するどころか餌食になってしまう。そのため昔から掃海艇は木造のものが多く建造されました。とはいえ最近は主要国海軍ではFRPになってきており、海上自衛隊でも今年就役したえのしま型掃海艇よりFRP製となっています。
平成3年にペルシャ湾に掃海部隊が派遣されたのを覚えている人もいらっしゃると思います。これはペルシャ湾に敷設された機雷を除去し、船舶の航行を確保するため。海上自衛隊がはじめて海外派遣された任務が掃海というのも海上自衛隊の歴史を思い出すと感慨深いものを感じます。
また、日本では太平洋戦争が終わって60年以上経ちますが、直近では今年6月に北九州沖で当時の機雷が処分されています。そんな掃海艇の活躍については コチラ を読んでいただければと思います。
参考にした書籍など
- 世界の艦船 2012年7月増刊 海上自衛隊2012-2013(海人社)
このページの公開日:2012.09.24