もがみ型護衛艦 “によど”(FFM-7)

5月29日は呉湾艦船めぐりへ。呉に配備されたもがみ型護衛艦第7番艦"によど"(FFM-7)を見てきました。

もがみ型護衛艦 によど FFM-7 2025年5月29日

はじめて呉に配備されたもがみ型護衛艦

もがみ型護衛艦は海上自衛隊ではじめてFFMという種別を与えられた艦です。フリゲート(FF)に"機雷(Mine)"と"多機能(Multipurpose)"をあわせてFFMです。22隻建造する計画でしたが、12隻のみとなりました。残りは新型FFMで12隻建造される予定となっています。

もがみ型護衛艦 によど FFM-7 2025年5月29日

もがみ型護衛艦の1番艦"もがみ"が就役したのが2022年です(ちなみに2番艦"くまの"のほうが先に就役しています)。それから3番艦、4番艦と就役して… 2025年、呉にももがみ型護衛艦が配備されました。呉に配備されたもがみ型護衛艦は2025年5月21日に就役した7番艦"によど"です。護衛艦隊第12護衛隊に所属します。就役した2日後の5月23日に呉基地に入港しました。

はじめて見ましたが、ホントにこれまでの護衛艦とは姿が違いますね(驚)。

“によど"の紹介

もがみ型護衛艦については私なんかが説明する必要はないのですが、ちょっとだけ説明(笑)。与えられた種別"FFM"が示す通り、従来の護衛艦の任務に加えて掃海艦の任務に対応できます。しかし1番艦"もがみ"、2番艦"くまの"は掃海艇群に配備されましたが現在は護衛艦隊にかわっています。当初の思想(?)から変わってきているのでしょうか。

もがみ型護衛艦 によど FFM-7 2025年5月29日

任務云々はその向きの人しかわかりませんが、なんといってもわかりやすい特徴はこの外観。ステルス性を意識し、錨や魚雷発射管、ミサイルなどが隠されていて船体の側面に凸凹がありません。両舷の通路すら隠されています。乗組員は甲板に出ないと外が見えないということか… 私はダメかも(汗)。

そしてマスト上部のユニコーンも大きな特徴のひとつです。このユニコーンもステルス性の向上に寄与しています。

もがみ型護衛艦 によど FFM-7 2025年5月29日

このユニコーン、正式には複合通信空中線NORA-50といいます。レドームの中にESM装置、洋上無線ルーター、通信の送受信機、IFF、TACANといった空中線群を収めています。そしてこのUNICORN、形状からつけられた愛称かと思ってたのですが、"UNI"fied “CO"mplex Radio a"N"tenna の略称なのですね。いやっ、形状から来たのが先なのか、略称から来たのが先なのか…なんてことを勘ぐってしまいます(笑)。

NORA-50の下、マストのそれぞれの面に多機能レーダーOPY-2を搭載しています。OPY-2の上下にあるのはもがみ型護衛艦の電子戦装置NOLQ-3Eの電波探知(逆探知)用ESMアンテナです。ESMアンテナはNORA-50にも搭載されています。ただ、ESMアンテナは搭載されていますが、電波妨害のためのECM装置は搭載していません。

もがみ型護衛艦 によど FFM-7 2025年5月29日

そして現在"によど"のみ装備されているのがVLS。もがみ型護衛艦にはVLSが装備されることになっていますが、これまでは就役後に装備されるというものでした。"によど"は、はじめて就役時からVLSが装備された艦となりました。VLSの写真、撮りたかったのですが、上から望む必要があるので呉湾艦船めぐりからでは無理でした(^^;。

ローカルTV局がYoutubeにあげていたニュースで渡邉大志郎艦長のコメントを流していました。渡邉大志郎艦長は呉出身で呉に戻ってきたことが嬉しいと話されていました。そして、乗組員も呉を生活基盤としている者が多いとのこと。呉にゆかりの方々でによどの歴史を作っていってほしい。これから安全にご活躍されることを願います。

この日の呉湾艦船めぐりでは、"によど"以外にもこれまで見たことがないものを見ることができました。それについては、別のページで記したいと思います。

参考にした書籍など

  • 丸 2023年3月号 第二特集 最新鋭ステルス艦「もがみ型護衛艦」