掛戸の潮止め水門(島根県大田市)
10月最後の週末となる10月28日は島根県大田市へ"掛戸の潮止め水門"を見に出かけました。西教寺の大銀杏を訪れた更新で記した"この日は道中大朝を通ることがあり"は大田市へ行く途中だったのでした。

干拓地を護るために築造
場所は島根県大田市久根町です。山陰本線久根駅~波根駅の線路そばになります。たどり着いてすぐ踏切がなり、やってきたのは特急スーパーまつかぜでした。運行本数が決して多くはない山陰本線、狙ってたわけではないのに撮れるとは運がいい… と、いきなり話がそれました(笑)。

もともとこの山陰本線久根駅~波根駅と現在の国道9号線で囲まれる場所は波根湖と呼ばれる潟湖でした。波根湖は淡水と海水が行き来し、砂州のせいでしょう、その水路は安定したものではりません、そのため、水路が狭いときに大雨が降ると水害を発生させることがありました。
そのため、土地の有力者(有馬氏)が排水のために海側の山を幅50mにわたって開削し1306(徳治元)年に水路が完成。この水路により波根湖まわりの水田化が可能となりました。
しかし、この水路によっても干ばつ時には海水が逆流し塩害や高潮の被害がでるために1918(大正7)年に波根西村によって築造されたのがこの水門(眼鏡型潮止水門)です。一部取り壊されて現在の形になっています。

水門は海側の壁面が垂直で湖側は傾斜面となっています。逆流を防ぐための水門だったので、水の流れを遮断する"門"があったはずですよね。どこについてたのだろう? それとももともとはL字だったということなので、勢いをとめるような水路になっていたのかな??

この"掛戸の潮止め水門"は島根県の近代化遺産を探しているときに見つけました。石造りの水門… これは実際に見てみたい、いやっ、見なければいけないと(笑)。
アーチ部分も含めて石で造られている水門、とても素晴らしい。見に来た甲斐があるというものです。石アーチ橋を見に行きたいのですが、その多くが九州に存在するんですよね。九州は近くないよなぁ~(+_+。
掛戸松島
好きでもない人にしてみれば、この一部壊れた水門を見るために広島から島根に出かけるのかとあきれることでしょう(汗)。たしかにそんなことを考えてこの場所を訪れる向きは少ないに違いありません。それは下写真の風景。

潮止水門から海をみるとこんな感じ。こちらは景勝地として有名… というか、ここを訪れる向きは水門ではなく、この景色を目的とするほうが大多数に違いありません。ということで"掛戸松島"は後日別ページで紹介しようと思います。
参考にした書籍など
- 掛戸の潮止水門 / 一般社団法人 中国建設弘済会
- 島根県の近代化遺産一覧 / 島根県
- 先人の巧みな技 農業インフラ / 島根県
- 波根湖干拓新聞 / 山陰新聞
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