音響測定艦 “はりま” (AOS-5202)が帰港
9月14日、ドライブがてらアレイからすこじまへ出かけました。先月江田島に数回出かけたときに通り過ぎることはあったのですが、訪問するのは久しぶりです。ぼーっと海を見ていると特徴のある艦がやってきました。音響測定艦"はりま"(最初は"はりま"か"ひびき"かわかりませんでしたが)です。
このページでは呉基地を母港とする"はりま"がAバースに接岸するまでを時系列に記します。写真ばかりです(笑)。
音響測定艦"はりま"
音響測定艦… 特徴のある形なので間違いようがありません。海上自衛隊にはひびき型音響測定艦が2艦配備されおり、1番艦が"ひびき"、2番艦がこの"はりま"です。
音響測定艦は潜水艦の音紋収集が任務です。そんな音響測定艦について少し記します。諸元は下記の通り。
- 基準排水量
- 2,850t
- 満載排水量
- 3,800t
- 全長
- 67.0m
- 幅
- 29.9m
- 吃水
- 7.5m
諸元云々よりもなんといってもこの艦型でしょう。これは半没水型双胴船型(SWATH船型)といいます。荒天時にも安定した音響測定を行うために波浪の影響を受けにくい艦型を検討した結果、この半没水型双胴船型(SWATH船型)となりました。
この特徴的な艦型でアメリカから導入した曳航式パッシブ・ソナー(SURTASS)を運用しています。
“はりま"は"むろと"の手前に接岸
これまでに接岸の様子を見たことって数えるぐらいしかない私。呉で"はりま"がいつもいるのは最初の写真でいうと"むろと"の手前の場所。どうやって接岸するのだろうと思っていると、回頭をはじめて船尾をこちらに向けました。
回頭が終わった頃、曳船がやってきました。
ここから"はりま"が曳船の助力を得て接岸します。接岸する場所は下写真の"むろと"の前。
ゆっくりと岸壁に、そして"むろと"にも近づいてきます。
“はりま"が"むろと"に重なり始めました。"はりま"の船尾中央に見える大きな四角部分はSURTASS線出しのためのものです。
“はりま"から岸壁へ舫い綱(?)が投げられました。岸壁の隊員が引っ張っています。
岸壁までもう少し。下に並べた写真で"はりま"と"むろと"の船首を見比べると、その動きが想像できます。
無事に接岸完了(直前?)。このページの最初の写真からここまでにかかった時間は30分と少しでした。隊員にしてみれば任務の一つであり、車を車庫に入れるのと同じようにトラブルなく接岸するのが当たり前なのでしょうが、凄いですね。
三連休の初日ということもあってか、結構な人がこの入港を見守っていました。自衛官の方に手を振る方もいらっしゃったりして。音響測定艦を見て"おおぉ"と感じる向きがどれくらいいらっしゃるかはわかりませんが、ナカナカ見ることができない艦が入港するところに遭遇できたのはラッキーだったとお伝えしたいです(笑)。
参考文献など
おまけ:ひびき型音響測定艦3番艦が就役予定
現在ひびき型音響測定艦は2艦配備されています。1番艦の"ひびき"が就役したのが平成3年、2番艦の"はりま"は平成4年に就役しました。それから時が経ちましたが、平成29年度計画で3番艦の建造が認められました。昨年"ひびき"、"はりま"を建造した三井E&S造船(建造当時は三井造船)に発注済で、令和3年に就役予定です。
海上自衛隊の中でもその運用や能力についての機密さはトップクラスの音響測定艦。いろいろ優先度はあったとはいえ、ほぼ30年ぶりに3番艦が建造されるというのは凄い。就役まで2年弱ありますが、就役したときにはその存在が"ひびき"、"はりま"同様に嫌がれるようになって欲しい。
そして戦争をすることのない令和の年が続くことを。
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