広島電鉄 操車塔

購入した自転車でポタリングをしていたときのことです。十日市町の交差点にこんな塔が立っているのを見つけました。

広島電鉄 操車塔(十日市)
広島電鉄 操車塔(十日市)

広電の操車塔

調べてみると、広島電鉄(広電)の操車塔(信号塔・所)というらしい。この塔の部屋で電車のポイント切替や信号操作を手動でやっていたそうです。

そういえば高校生の頃は紙屋町交差点にもそんな塔がありました。

十日市町交差点
十日市町交差点

十日市町交差点です。電車が向かっている写真左方向が紙屋町、奥が江波、手前が横川方面となります。昔は操車塔から手動でポイントや信号を切り替えていたと思うと、なんだか不思議な感じです。"間違えたら…"なんてことはプロは考えなかったのでしょうね(^^;。

現在、この十日市交差点あはARC(Automatic Route Control)装置でポイント制御をしています。広島電鉄の市内線ではこの十日市のほか、紙屋町と皆実町六丁目の交差点にARC装置が設置されています。

操車塔のカーテンが開いている
操車塔のカーテンが開いている

こういった操車塔、日本各地の市電が走っている場所では見られていたようですが、ポイント操作が自動化されることにしたがって姿を消していったそうです。紙屋町のものもなくなってしまいました。今残っているのは、函館と鹿児島、そしてこの十日市ぐらいだとか(驚)。

この塔の部屋の中にARC装置が設置してあるとか、何かのときに手動で操作ができるためにこの塔が残されているといった話を見つけることができましたが、どうなんだろう?

でも、仮に取り壊す理由がないという理由だけで残っているだけだとしても、こういった街の歴史遺産は残っていくといいな… 残すように考えられるといいなと思います。

参考にした書籍など

  • 広島電鉄 会社要覧 2020(令和2)年8月発行

おまけ:トロリーコンタクター

十日市交差点はARC装置によりポイント切替を行いますが、路面電車の場合、一般的にはトロリーコンタクターという方法でポイント制御を行うそうです。広電では土橋と的場町がそれにあたります。

トロリーコンタクター
トロリーコンタクター

電車がやってくるとパンタグラフがトロリーコンタクター(青〇で囲っているものです)に接触します。行先により電車の停止位置が決まっているので、1つめに接触して続けて2つめにも接触したらXX方面へ、1つめに接触して〇〇秒間2つめに接触しなかったらYY方面へ、といった感じでポイントを制御します。

広電の場合、さまざまな電車が走っていますが、どれもその条件に合うようにパンタグラフの場所があるということですね。

なんで行先ごとに止まる場所が決まっているのだろうと不思議に思っていましたが、こういった理由があるんだなと。知命を迎えても知らないことばかりのおじさんです。